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【連載】ギッチョムの気仙沼だより(24)・「港まち記者の卒論」
今回は、まさに「私事」について書く。 このブログを主宰している細田利之さんが経営する株式会社「エン」の出版事業部から「港まち記者の卒論〜『気仙沼人』との泣き笑い見聞録」を10月9日、出版した。無名以下の著者ゆえ、Amazonからの直販のみ。街の本屋さんでは購入できない。ただし気仙沼だけは、地元の書店でも購入できるようにする予定だ。 内容は、記者時代にいろいろな場面で出会った12組(計22人)へのインタビューと、記者として体験した出来事を四つに分け、オムニバス形式で挟み込んで... -
佐藤 紀生さんの本、出版!「港まち記者の卒論」〜「気仙沼人」との泣き笑い見聞録
「ギッチョムの気仙沼だより」を連載中の、佐藤 紀生さんの本、『「港まち記者の卒論」〜「気仙沼人」との泣き笑い見聞録』を出版しました。大手メディアでは伝えきれなかった、気仙沼のあの時と今、そしてこれからを、地元記者ならではの視点で書いていただきました。気仙沼の方、宮城県の方、東北の方はもちろん、全国の方に読んでいただきたい素晴らしい本です。この本の出版に携われたこと、幸せなことだと思っています。 2025年10月10日きらめきぷらす:編集長 細田 Amazonでの購入はこちらから 目次 カツ船... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(24)・「気仙沼のサンマ、サンマの気仙沼」
今年、佐藤家から長女の嫁ぎ先に送ったサンマ サンマ。 カツオと並んで気仙沼港の水揚げを支えてきたサンマ。秋、魚市場はサンマと、戻りガツオの水揚げで賑わう。 その殺気立つような、湧き立つような水揚げラッシュは、地元記者をしていた私にとっても、気仙沼港が一年で一番、活況を呈する、その空間に身を置く喜びを与えてくれた。 そのサンマ。ここ数年は不漁が続いている。量も少なければ、魚体のサイズも小さい。昨年、気仙沼で水揚げされたサンマ。佐藤家の食卓に載った塩焼きは、まさにイワシサイ... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(23)・「氷の水族館」
気仙沼市 「氷の水族館」 *現在の展示とは異なります。 気仙沼にはユニークな水族館がある。それは「氷の水族館」。マイナス20度という冷凍庫の中に、氷の中を「泳ぐ」魚が展示されている。全国有数の漁港である気仙沼。その気仙沼魚市場に水揚げされるサンマやカツオ、マダコ、沿岸漁でとれるカサゴやキンメダイなどなど約40種類700匹の魚が、列を成して「泳ぐ」。その姿が高度な技術で作られた透明度の高い氷の中に封印されている。世界でも珍しい、生きた魚のいない水族館だ。 気仙沼にこの「氷の... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(22)・道の駅「大谷海岸」
気仙沼市の南の表玄関とも言えるのが、道の駅・大谷(おおや)海岸。気仙沼市本吉町にあり、三陸縦貫道の「大谷海岸インターチェンジ(IC)」を降りて、わずか500m北に進むだけなので所要時間は3分と掛からない。しかも三陸縦貫道の石巻市以北は、東日本大震災の復興道路として整備されたため、無料区間となっており、事実上、三陸道に併設されている施設とも言える。乗り降り自由なので、寄り道しやすい。 ポールの先には「マンボウ」図柄の看板がある。道の駅・大谷海岸、その目の前に広がる大谷海水浴場... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(21)「風待ちの街」
気仙沼の顔と称される気仙沼湾の最奥部。「内湾地区」と呼ぶ、その一帯は気仙沼市の「へそ」とも言える場所だ。 東日本大震災前は、離島であった大島とを結ぶ定期航路の汽船やフェリーの発着所があり、背後には気仙沼の中心市街を抱えていた。天然の良港として知られる波穏やかな入江は、リアス海岸特有の折りたたんだ海岸線の行き止まりにある。 昭和31年、内湾の入り口よりやや外側にある現在地に移転するまでは一番奥に気仙沼魚市場があり、まさに「港まち・気仙沼」の中核を形成していた。 震災後は、... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(20)「大理石海岸」
海の庭園ともいえる大理石海岸の景観 気仙沼市の景勝地の中には、今から約2億8千万年前の古生代ペルム紀に生成された石灰岩および、その後の火山活動によって火成岩が入り込み、熱によって大理石となった地層が織りなす地形がある。 潮吹岩で知られる「岩井崎」をはじめ、唐桑半島随一の観光地である「巨釜・半造(おがま・はんぞう)」などが代表的だ。 白く輝く大理石と、浸食などにより黒っぽく変色した石灰岩との対比と、自然が「彫刻」した景観が、青い海と空との見事なコントラストを描く。 その中で... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(19)「気仙沼の発電所」
木質バイオマス発電・発熱プラント 気仙沼市には発電所がある。「発電所」は大げさかもしれないが、発電施設には間違いがない。 しかも全国でも珍しい「木質バイオマス発電」施設だ。 バイオマスとは、石油などの化石燃料を除く、動植物から生まれた再利用可能な有機性の資源を表す言葉であり、木質ということは、森林の間伐材や製材端材や木質チップなどを材料にする。 発電方法には、木質バイオマスを直接燃焼させて、発電させる「蒸気タービン方式」もあるが、気仙沼市にある施設は木質バイオマスをガス化... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(18)「気仙沼市復興祈念公園」
気仙沼湾を見下ろす、海抜60mの小高い丘。気仙沼市陣山(じんやま)に、2021年3月11日に開園した「気仙沼市復興祈念公園」。 東日本大震災から丸10年。大方の復興を終えつつあった、まさに節目の日に「祈り」のモニュメントは生まれた。 最も高い場所にあるのが、「祈りの帆(セイル)」。船体に使用されるアルミ鋼材で出来ている。高さは10m。船の帆と合掌する両手を模した。飾りっ気のない白い空間の中に入ると、透明なアクリル板の献花台があり、祈る「両手」「帆」の間から、気仙沼湾を望む... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより(17)「恵比寿像と浮見堂」
気仙沼湾の最奥に位置する内湾。古くから「鼎(かなえ)が浦」の呼び名がある。 「鼎」とは三本の脚を持つ鉄製の釜を指す。よく3人による対談を「鼎談」と称するのは、これに由来する。 気仙沼内湾の三本の脚となる岬。最も南に位置する「蜂ヶ崎(はちがさき)」。三陸道気仙沼湾横断橋の北側にある。 柏崎(かしざき)は、石灰岩の崖が湾に突き出しており、気仙沼プラザホテルが建つ。最近、全国放送でも「気仙沼湾と横断橋、その先にある大島」という景観が、天気予報のコーナーに登場することが増えたが、...