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【連載】ギッチョムの気仙沼だより⑤・港まち・気仙沼
港町・気仙沼を代表する光景の一つに挙げるのが、岸壁を埋め尽くす漁船だ。 船の着岸といえば、岸壁に横着けするのを頭に思い浮かべると思う。気仙沼港でもイカ釣りや定置網など小型〜中型船は横着けしている。 ただ、こう言うと「あれ?漁船って、縦着けじゃないの?」と異論も聞こえてきそうだ。確かに、沿岸漁を主とする、いわば「浜」の岸壁には、船外機付き小船をはじめ、縦着けが多い場合もある。理由は簡単で、縦着けの方が、場所を取らないからだ。 しかし気仙沼魚市場の桟橋や内湾の一部などでは、... -
【連載】掌の物語④ 霧の朝と明日の天気・樹 亜希
目が覚めたときに、寝室のカーテンを細く引くと外は雨で煙っていた。そのまま、鈍い頭の痛みにぼんやりとしていた。それでも時計のデジタル数字は確実に進んでいく。 ベッドから腰を上げてもう一度、外を見た。 あの映画と同じ光景が広がっていた。ミストというアメリカの映画だったと思うが、それを思い出して胸がざわざわした。この霧の向こうには行けないのではないだろうか。不条理劇の映画の再現ではないと信じたくて、窓の外を見るのはやめた。 二条城の壕に植えられた木々はおろか、その向こうの街並... -
見角悠代ソプラノコンサートVol.2「春に奏でるモーツァルト」4月14日(日)
見角悠代さん、ソプラノコンサートのご案内です。お近くの方はもちらん、少し時間をかけてでも聴く価値のあるコンサートになること間違いなしです。 プログラム「モーツァルトの百面相」/ 夜の女王のアリア 「復讐の炎は地獄のように」 ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」/ ヨハン・シュトラウス「春の声」他 日時:2024年4月14日(日) 13:30開場 14:00開演 全席自由3,000円(前売り2,500円)会場:東吾妻町コンベンションホール(東吾妻町役場) 〒377-0801群馬県吾妻郡東吾妻町大字原町1046... -
見角 悠代(みかど はるよ)・音楽家への軌跡(2)
第2回 運命の人が導いた音楽への道 高校は進学校だったので、受験希望校を書く紙とはずいぶん早くから何度も向き合っていた気がします。周囲の影響もあって、音楽への興味はほとんどなくなっていた私ですが、それでも夏期講習の後からはいくつかの一般大学名を書いた下に「音楽大学」とだけ書いていたように記憶しています。 やがて、また母によって運命の人の元へ導かれるのです。自分が音楽の道を歩いてきて、姉は美術大学へ進んだので、母はあるいは私を音楽の道に進めることを諦められなかったのかもしれませ... -
【連載】掌の物語③ ウサギのこと・樹 亜希
地下鉄二条城駅の近くにかわいいカフェがある。 私はそれを知らなかった。どうして今まで知らなかったのかは、色々と私的に面倒かつ、思い出したくない辛いこともあり、ここでは触れない。 堀川という川には水の流れはほぼない。 昔は水量はあったのだろうか、かなり深くて広い。車線一本ほどあり、昔から不思議だなと思っていた。なんのために? その静かな街並みには、会社やホテルが並んでいる。 自転車で行ける範囲でカフェがあるときいて、私は走り出した。 街並みに溶け込んだ、たたずまいに兎珈琲の... -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより④・金華山とアヴァロン
地図で宮城県を見ると、仙台から東の方向に松島があり、さらに太平洋に突き出した牡鹿半島を抱える石巻市がある。その半島の東端にある島が「金華山」だ。 島全体が黄金山神社の神域で、恐山、出羽三山と並ぶ「奥州三霊場」に挙げられる。神職のみが居住する島だが、多くの参拝客が訪れるほか、「神の使い」のシカが多く生息しており、例年秋には伝統行事「鹿の角切り」が催され、観光客で賑わう。 石巻市の島だが、牡鹿半島の山並みに隠れ、市内からその姿を眺める場所は少ない。松尾芭蕉が「奥の細道」で「... -
一枚の写真 「冬の朝に」・・太宰 宏恵
寒い朝、良く見ると霜のフリルをまとった落ち葉が重なり合っていました。太陽の光がが当たれば、すぐに消えてしまうこの様子を見られたことが、とても特別に思えました。 -
【連載】写真短歌(3)・・川喜田 晶子
今宵また君の深みへ身を投げて月の素顔に逢ひにけるかも -
【連載】ギッチョムの気仙沼だより③・震災
16mの高台にあった当時の女川町立病院駐車場。消防ポンプ車の上に乗用車が載っている。高台より2m高い津波で、避難してた車ごと流された人もいた。翌日、ポンプ車から燃油を抜き取っていた。長い物資不足との戦いが既に始まっていた。2011年3月12日午前7時10分ごろ。 「ここまで被害が甚大だとは…」。みんなが口をそろえる。元日に発生した能登半島地震。地震、火災、津波。自然の猛威が複合して被災地を襲った。13年前の東日本大震災を経験した身として、その惨状と、今後、長く続くであろう復旧・復興への道... -
【連載】掌の物語② 邂逅・樹 亜希
お正月3日のお話ですが、編集部の都合で掲載が遅れました。 今日はあなたの誕生日、忘れようもないお正月の3日なんて。 卑怯だと思う、今もなお私の脳裏と心に刻んでいるんだから、あなたは私の誕生日など忘れてしまっているでしょ。 いつもより人の少ない道路の端を自転車で走りながら思う。 忘れたいのに、忘れられない記憶をフラッシュバルブ記憶という。 昨年からメンタル心理カウンセラーの資格取得講座の学習を始めて知った。大学時代には心理学を一年だけ勉強したが、バイトが忙しくてなかなか精読...