芸術– category –
-
【連載】シーボルトの江戸への旅路 No.5 ―室から大阪までの旅―横山 実―
1.3月9日(木)―室からの出発 朝、室の宿を発ち、「すぐうしろにある険しい山を越え、われわれは、駕籠にとって難儀な谷へくだる道を運ばれて行った」(シーボルト著・齋藤信訳『シーボルト参府旅行中の日記』(思文閣出版、1983年)42頁。以下、この本は、『日記』と略記します)のです。山の麓では、「人力でかちとった耕地が拓かれていたが、その綿密さは、どんなにほめてもほめたりない位である。細い床は、畝と畝との間を深い溝で分け、そこにコムギ・ナタネ・ハトマメ・シロエンドウ・カラシが、そして... -
Fashionable 湖龍斎 多彩な浮世絵展 −横山實コレクションより 6月25日(火)〜30日(日)
長唄と謡の空間に置いて 磯田湖龍斎展@下北沢 入場無料会 期:6月25日(火)〜30日(日)11時〜19時 ※最終日は17時閉場会 場:武蔵屋画廊 世田谷区北沢2-32-8 その他の詳細、お問合せ先は下のPDFをご覧ください。 20240625ダウンロード -
【連載】シーボルトの江戸への旅路 No.4 ―下関から室までの旅―横山 実
1.3月2日(木)―下関港からの出帆 風待ちしていた船は、8時頃に順風を受けて出帆しました。「潮流に助けられてファン・デル・カペレン海峡(シーボルトが名付けた海峡名ですが、現在は「下関海峡」と呼ばれています)を、非常な速力で通過」(シーボルト著・齋藤信訳『シーボルト参府旅行中の日記』(思文閣出版、1983年)33頁。以下、この本は、『日記』と略記します)しました。 午後には、四国の陸地が見えてきました。「順風を受けて帆走しつづけたが、逆風に変わり、夜十時ごろ家室島と屋代島<普通は... -
【連載】シーボルトの江戸への旅路 No.3 ―長崎から下関への旅―横山 実
1.長崎からの旅立ち シーボルトは、長崎に到着してから2年半後の1826年2月に、参府旅行に加わって、長崎から江戸に向かうことになりました。参府旅行では、使節であるカピタン(オランダ商館長)ステュルレルに、長崎奉行所の役人、阿蘭陀通詞、料理人たちが同行しました。オランダ人の随員の定員は、医官と書記官の各1名でした。そこで、医官のシーボルトとともに、ビュルガーが「書記」として参府旅行に参加しました。地層学者であるビュルガーは、前年に、シーボルトの日本調査を手助けするために、オラン... -
太宰 宏恵さんが日本画を出展します。
ご存知の方も多いと思いますが、「一枚の写真」を連載していただいている太宰 宏恵さんは、日本画の画家でもあります。5月17日(金)〜19日(日)、横浜赤レンガ倉庫1号館で開催される「THE SQUARE VOL.2」に日本画を出展します。 *太宰さんの在廊日は未定です。 THE SQUARE VOL.2のサイト -
一枚の写真 「新樹光」・・太宰 宏恵
気持ちの良い風に揺られる新緑と、その間に輝く光の美しさに目を奪われるこの季節が大好きです。梅雨までの短い時期、爽やかなこの感覚を体いっぱいに取り込めるように、自然に囲まれる場所へ、できるだけ出かけたいと思います。 -
【連載】シーボルトの江戸への旅路 No.2 ―来日と長崎での滞在―
横山 実1.シーボルトの来日 フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトは、1796年2月17日に、貴族の家系の家で、現在のドイツ南部のバイエルン地方のヴュルツブルクで生まれています。ヴュルツブルク大学で、医学を学びましたが、そこでは、観察に基づく臨床医学が重視されていました。観察眼を養った彼は、恩師の影響を受けて、動物、植物、地理などにも関心を持つようになりました。 シーボルトは、国家試験に合格して医師の資格を取得した後に、東洋での研究を志しました。当時のドイツは、中央集... -
【連載】シーボルトの江戸への旅路(1)―東海道五十三次の浮世絵で辿る― 横山 実
1.連載の経緯 社会的に無名な私が、きらめきぷらすに、上記のような表題で連載原稿を書くことになったかの経緯を書かせていただきます。 きらめきぷらすの読者は、編集者の吉野さんが企画した、渡部全助が執筆した音楽に関する連載記事を楽しまれたことと思います。その連載記事は好評でしたので、渡部全助著『ZENさんのぶらり音楽の旅』として出版されました。その出版記念のパーティが、2023年2月20日にZENさんの行きつけのバーで開かれましたので、私は妻と共に出席しました。 音楽関係者でない私が、この... -
一枚の写真 「彩り」・・太宰 宏恵
花が見られる場所には、まるで蝶や蜜蜂のように人も集まるように思えます。そうした人々をレンズ越しに眺めると、とても幸せそうに見え、人間が自然の一部であることに気付かされます。グレートーンだった冬から、色彩豊かな季節へ変化していくこの時期、人の心の中も一緒に彩られていくのかもしれません。 -
一枚の写真 「春の訪れ」・・太宰 宏恵
梅が満開となり、色鮮やかな花の姿や雛人形を目にすると、いよいよ春の訪れを感じます。新しい出逢いや活動、環境など、変化の時期でもありますが、それぞれが美しく開花していきますように。そんなことを考えながらの一枚です。