一枚の写真「夏の記憶」・・太宰 宏恵

セミの声が聴こえてくると、子供の頃に、初めてセミの「脱け殻」を見つけた時の驚きを思い出します。

独特の形と素材感、孵化の後、残されていくきれいな殻を不思議な気持ちで見つめていました。

セミの命は一週間程と言われていますが、それに反して脱け殻は、朽ちることなく、生きていた証のように長い時間、地上に残されていきます。

魂がたとえ抜けてしまっても美しいもの。

完璧な自然の造形への憧れは、この頃に私の中に生まれたのかもしれません。

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