【連載】写真短歌(15)・・川喜田 晶子

花びらと闇のあはひに湧く酒の熟すがごとく人の恋しき
川喜田 晶子

人の予定などおかまいなしに、〈恋〉は、人生に幾度か降りかかって来ます。
〈恋〉というものに魂をわしづかみにされることで、人は、己れで己れを統御し切ることなど不可能なのだと学習し、世界観を更新し、とびきりの酒のようにおもむろに熟してゆくものなのかもしれません。
桃の花を見ていると、そこには童女のようなあどけなさと成熟した女性の「思いのたけ」とが同居しているような気がして、美味しいお酒が呑みたくなってまいります。

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