【連載】写真短歌(12)・・川喜田 晶子

うつし世に君のかたちを彫るための爪のごとくに はつ冬の月 
川喜田晶子

スサノオノミコトが大暴れして高天原から追放された時、その髭や手足の爪を全て抜きとられたといいます。
狂暴さの再生をシンボリックに封印されたのでしょう。
秩序の世界からどうしてもはみ出してしまうスサノオ的な情念は、わたしたちの〈爪〉に今も身を潜めているでしょうか。
西の空に懸かる夕月のほっそりした横顔を見ながら、自分の中の〈スサノオ〉探しをする年の暮れです。

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