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【連載】一枚の写真「交差する春」・・太宰 宏恵
桜の木の写真を撮っていると、 後ろから名前を呼ばれました。振り返ると、半年ぶりの友人が立っていました。この場所の桜は、 先週に満開を迎えたと聞いていたので、 もう散っているかと思っていたのですが、 友人も同じことを考えて、この日に来たそうです。小ぶりな桜の花びらが、 ひらひらと風に乗って落ちていくのを眺めながら、 しばらく立ち話をしました。「あと10分遅かったら、会えなかったね」 「どこかに寄り道していたら、すれ違っていたかも」そんなことを言いながら、 ほんの少しの違いで交わる人と... -
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【連載】写真短歌(27)・・川喜田 晶子
樹の梢(うれ)の息吹きと 何処かの哀しみと 誰かの恋と わが言霊と川喜田 晶子 場所や個体が異なっても一斉に芽吹いたり花開いたりする自然界の姿を目にしますと、樹木の梢の一呼吸も、遠い何処かにある哀しみも、見知らぬ誰かの恋情も、祈りを込めて発する己れの言霊も、その個体だけの意思によるものではない、という想いにとらわれます。どんな存在もわれ知らず〈類〉として振る舞っているのかもしれない、と思うことの、切なさと温もりと。芽吹きの季節。そのいのちのカオスには、〈個〉と〈類〉がやるせ... -
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ギッチョムの気仙沼だより(30)あの日から15年、大津波の伝承。
あの日から15年…。長かったようでもあり、体感的には「あっ」という間という思いも強い。2011年3月11日午後2時46分。世界的にも最大震度の部類に入るマグニチュード(M)9・0の巨大地震が発生した。 気仙沼を含む三陸地方にとって、震度3程度の地震は日常茶飯事だし、個人的には書棚から本が全部落ちるような、5を超える地震も4回経験している。しかし。あの時の地震は規模が桁違いに大きく、逼迫した生命の危険を感じた。そして、これが今でもトラウマだが、なんと3度、揺れのピークがあっ... -
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Edukated 栄之の美人画展〜横山 実コレクション〜
長歌と謡の空間において江戸で生まれた本物の錦絵を、同時代の音曲と一緒に味わう 入場無料令和8年3月24日(火)〜29日(日)11時〜19時 最終日は17時30分閉場会場:武蔵屋画廊 世田谷区北沢2-32-8お問い合わせ:杵屋(きねや) 03-3468-0330 202603 栄之展ダウンロード 今回の展示会の特徴 喜多川歌麿と同時代に活躍した鳥文斎栄之については、今の人々はほとんど知りません。そこで、栄之の浮世絵を知ってもらうために、2年前の冬には、千葉市美術館で下記の展示会が開催されています。サムライ、浮世絵師にな... -
横山 実:シーボルト江戸への旅路
シーボルト・200年前の江戸への参府旅行〜仮装デモンストレーション〜
Sieboldダウンロード 好評連載「シーボルト江戸への旅路」の執筆者、横山 実さんが、副代表を務める「シーボルト江戸参府200年記念事業実行委員会」主催のイベントご案内です。シーボルト衣裳デモンストレーションは、現在、下記の4か所での開催が決まっています。1)2026年3月18日(水)シーボルトたちが訪れて丁度200年目に当たる3月18日に、京都府の伏見稲荷大社で午後1時から午後3時の間に、一の鳥居付近でデモンストレーションを行う予定です。伏見稲荷大社は、奈良時代の和銅4(711)年2月の初午の日に、御... -
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【連載】写真短歌(26)・・川喜田 晶子
過去生の数だけ蕊のあるさうな 梅一輪を労ひて 春 川喜田 晶子 何度目の生を受けて梅となったのやら。咲くという行為は、過去のもろもろの生の中に沁み込んでいた想いや祈りも我知らず引き受けて、この世に解き放つことかも知れない。紅梅さん、おつかれさま。 -
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ギッチョムの気仙沼だより(29)気仙沼産フカヒレ
気仙沼市の観光の顔「海の市」でも多くの販売スペースに並びフカヒレ加工食品 気仙沼の冬の風物詩として、地元紙記者をしていた私が必ず思い出すのが、養殖ワカメの収穫と、もう一つは厳寒期の2月に取材することの多かったフカヒレの天日干し作業だ。先日、私の後輩である地元の新聞記者、テレビカメラマンが取材し、それを紙面やテレビのニュース番組で見た。 同じ懐かしい光景だし、もう一つ変わらないのが、天日干しの場所についてはいずれの報道機関も「気仙沼市内」とし、場所をそれ以上特定していない... -
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【連載】一枚の写真「残雪の上に」・・太宰 宏恵
立春を過ぎ、関東は雪に見舞われました。この地域では珍しい積雪量でしたので、昼間であっても道路の交通量が増えず、外へ出ると、普段とはまるで違う雪景色が広がっておりました。 車が通らないだけで、こんなにも静かで、普段は聞こえない音がする。 雪が降り、積もっていく。 しんしん、しんしん。 辺りは真っ白。木々も草花も、みんな上から白い絵の具を被せられて、この場所が消えてしまうかのように。 そんな中でじっとしていると、自分も消えて無くなる気持ちがして、白の地面に一歩を踏み出し、ぎゅっとし... -
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【連載】写真短歌(25)・・川喜田 晶子
たてがみを風に解かるる夢を見て目覚むれば樹 といふ美しき夢川喜田 晶子 風と一体になる瞬間は心地良いものですが、疾駆する馬としてそれを体感できるならその解放感はいかばかりでしょうか。しかし、そんな夢から覚めた瞬間、自分は大地から離れることのできない樹木である、と気づくとしたら。樹木にとって、それは失望ではなく、やはりひとつの解放かとも思うのです。大地に深く根を張りながら、風とともに躍動する魂を持つことも可能ですし、風の如く駆け抜ける馬もまた、この大地からエネルギーを汲み上げ... -
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【連載】一枚の写真「監督」・・太宰 宏恵
私が庭で絵を描く時、撮影をしている時、傍らにはいつも監督がいます。私の作業を眺め、一緒に座ることもあれば、 時にスケッチブックの上で寝そべり、動く鉛筆の先を叩いたり、背中や肩の上に乗って、私に「立場」をわきまえさせます。 写真を撮ろうかと、レンズを向けると必要以上に近づいて来て、撮れもせず。監督は、まったく邪魔ばかりしていくるのです。 そんな監督も今年は19歳、人であれば90歳超えの年齢です。 今まで全くの病気知らずでしたが、年末に私が腰を痛めた後、監督も酷い腰痛となり、一緒...
