ギッチョムの気仙沼だより(34)亀山モノレール

メインテラス」からの眺望。
*気仙沼観光コンベンション協会のサイトから

亀山モノレール
*気仙沼観光コンベンション協会のサイトから

 ここ「きらめきぷらす」で、掲載を始めた「ギッチョムの気仙沼だより」。第1回は2023年12月。その時の話題が「大島の亀山にモノレール」だった。
 あれから2年7カ月。2026年7月19日、気仙沼市が「東日本大震災からの復興の仕上げ事業」と位置付けていた、そのモノレールが開業した。
 亀山(標高235m)の8号目から山頂までを結ぶ延長409m。交通形態から言うとモノレールより「斜行エレベーター」が正しい。2両編成で総定員は39人、最大の特徴は床面が、傾斜ゼロの駅舎と同じく常にフラット。ホームと車両の間に段差もなく、車椅子でもそのまま乗り込め、山頂駅まで人々を運ぶ。ケーブルカーなどは車両内が段々になっているのと比べると、安定感がある。座席はないが、揺れもほとんどない。片道7分間、老若男女を安全に、かつ、標高が徐々に上がる間、眼下に海と空、山々が織りなす景観が広がるのを楽しみながら、下りる際は余韻を楽しみながら戻ることができる。
 売り物は、山頂に4つある眺望空間「メインテラス」「そらのてらす」「うみのてらす」「ほしのテラス」。以前から亀山の魅力はリアス海岸と、雄大な太平洋の双方を、まさに360度味わえる、その眺望だ。「メイン」は北西を向き、気仙沼の市街地、2019年4月に開通した「大島大橋」、そして気仙沼湾を跨ぐ三陸自動車道「気仙沼湾横断橋」(2021年3月開通)を抱く気仙沼湾。日本一を誇るカツオ、メカジキ、サメ類など四季折々の水揚げで賑わう全国有数の漁港、その核である気仙沼魚市場、波穏やかな湾奥に位置する気仙沼内湾の風光明媚な景観を一望できる。その奥には海に広葉樹林の栄養分を生む山々と、それを運ぶ大川が見える。北東に目を転じれば、唐桑半島のリアス海岸線と、大島の間の青い海、そして養殖カキを育てるイカダが、整然と並ぶ、自然と共生してきた気仙沼人がこよなく愛する風景が広がる。
 「そらのてらす」は、南西に向き、気仙沼の景勝地「岩井崎」、さらに見晴らしのいいときは、石巻市の牡鹿半島の先端に位置する霊場「金華山」を遠望できる。
 「うみのテラス」は大島が誇るブルーフラッグ「小田の浜海水浴場」など越しに、太平洋の大海原を体全体に味わえる。
 「ほしのテラス」は、椅子はないが、太平洋の水平線がきれいに見え、沖合を行く大型貨物船の姿を目で追うことができる。開放感満点のテラスだ。
 また土日、祝日に営業するカフェが設けられた。雄大な景観を眺めながらコーヒーや「亀山ソーダ」、ソフトクリームなどを取り揃えた。

 料金は中腹駐車場代を入れ込んだ往復1人1200円(中学生以上)。小学生は半額の600円、未就学児は無料。モノレール運行は中腹駅が午前9時から20分ごとに午後3時40分まで21便。帰りは山頂駅発午前9時10分から20分ごとに午後4時10分まで22便。
 開業から混雑緩和措置として、当面はふもとの浦の浜にある「ウエルカム・ターミナル」駐車場で整理券を発行し、係の案内で中腹駐車場へと向かう。

 今回の亀山モノレールは、震災による津波と山林火災で焼損した「亀山リフト」の代替施設として整備した。リフトはスキー場にあるような1人乗りのもので、雨風を防ぐことができず、さらに冬季は運行休止を余儀なくされていた。

 観光施設のため、補助の獲得には苦心した。過疎対策事業債、ふるさと応援基金などを活用し整備した。
 今回のモノレール開業に合わせ、浦の浜「ウエルカム・ターミナル」の産直コーナーも営業を再開、夏場の海水浴だけでなく、遊覧船によるクルーズと組み合わせた大島観光が、亀山モノレールで再び活況を呈することを期待したい。

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