
立春を過ぎ、関東は雪に見舞われました。
この地域では珍しい積雪量でしたので、
昼間であっても道路の交通量が増えず、
外へ出ると、普段とはまるで違う雪景色が広がっておりました。
車が通らないだけで、
こんなにも静かで、
普段は聞こえない音がする。
雪が降り、積もっていく。
しんしん、
しんしん。
辺りは真っ白。
木々も草花も、
みんな上から白い絵の具を被せられて、
この場所が消えてしまうかのように。
そんな中でじっとしていると、
自分も消えて無くなる気持ちがして、
白の地面に一歩を踏み出し、
ぎゅっとした感覚を感じて安心します。
翌日は晴れ、
昨日のできごとは嘘のように、
ポタポタと雪解けの音が響いていました。
ふと地面に目をやると、
残雪に落ちた椿の蕾が美しく輝いて、
まるで色彩を取り戻した
この世界の喜びの現れのように、
私には見えました。
