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【連載】一枚の写真「荒地」・・太宰 宏恵
普段、私が撮影したくなるきっかけはいくつかありますが、ひとつは、純粋に「美しいな。」と、感じた時。そしてもうひとつは、対象物から強い何かを感じて、引っ張られた時。 今月の写真は、後者の理由で撮影しました。 普段であれば、さっと通り過ぎてしまうであろう、決して綺麗とは言えない荒地から、言葉にならない「密」のエネルギーをどーんと受けて、写真として現れたこの景色。 不思議なもので、実際に自分の目で見ていたものよりも、ずっとリアルに、この場所を表してくれているような気がします。 この... -
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【連載】一枚の写真「天空から」・・太宰 宏恵
先日、今にも熊が出てきそうな山道を車で上がった宿に、一晩お世話になりました。 街が見えなくなるくらい高い場所でしたので、美しい朝の山々の景色が見られるかもしれないと、淡い期待を胸に就寝。翌早朝6時、お部屋から障子を引き、外に広がる一面の雲海の景色に、思わず絶句です。 「気温差の多い日に雲海は見えるのですが、昨夜は急に気温が下がったので、、、、こんなにきれいに雲海が見られるのは、今シーズン初かもしれません。」と、後に宿のスタッフの方が教えてくださいました。 雲の様子が刻一刻と変... -
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一枚の写真「いつもの場所」・・太宰 宏恵
当たり前のように自分の周りにあるもの、いつも通り過ぎている場所、そこに在ることは知っていても、敢えて見なかったものに、意識を向け始める「切り替え」のような時があります。 それは、「いつも」の場所やものを「特別」に見せ、新しい感覚や気づきを運んで来てくれます。 そんな時、決まって私は感謝します。身近にこんな景色があったこと。優しい人に囲まれていたこと。美しいと思えるものに、出会えたこと。 そんなことを思いながらの今月の一枚は、子供の頃からずっと近くにある、【いつもの場所】です。... -
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一枚の写真「空を覗いて」・・太宰 宏恵
今回は、いつもと少し違ったイメージの写真を選ばせていただきました。晴天の昼間に、水に映る雲がかった太陽を撮影しただけなのですが、反転した世界として見える空の様子が、なんとも不思議な空気感となりました。 目の前に広がる景色や植物を直接的に撮影したものとは違って、かなり抽象的な写真にはなりますが、お楽しみいただけましたら幸いです。 太宰 宏恵 -
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一枚の写真「新緑の森」・・太宰 宏恵
緑眩しい季節となりました。庭のさくらんぼが実り、毎日、鳥たちがせっせとついばみにやってきます。 風に揺られて落ちたもの、鳥たちが、うっかり落としたもの、熟す前後の実が、綺麗な新芽の緑色の中でキラキラと輝いていました。 レンズを覗いて見てみると、まるで幼い頃の自分が、新緑の森に迷い込みながら歩いているような気持ちになりました。 幼い頃に見て嬉しくなった、小さな世界の記憶、皆さんの中にも大切に保管されているのかしら?などと考えながら、今月は少しだけ「メルヘン」な一枚をお届けいたし... -
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一枚の写真「春の光に」・・太宰 宏恵
突然気温が上がり、桜も一気に開花してしまいました。桜の写真を。。。。と、外へ出て撮影したものの、皆様にお届けしたいと思えるほどのクオリティに達せず、断念。 そんな中、ふと、現れた白椿。 ポツポツと、穴の空いた花びらが、春の光を通して輝いている。そんな姿が一際美しく見え、今月の一枚といたしました。 春の優しい空気感が、届きますように。 太宰 宏恵 -
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一枚の写真「ましろ」・・太宰 宏恵
梅の香が漂い、鳥のさえずりが賑やかになってまいりました。 そんな合間の雪予報に、きゅっと肩に力が入る日、冷たい空気を感じながら、カメラを手に取りました。 光の射さないそんな日は、本来望ましい写真は撮りにくいものです。 強い光の無い平らにも思われる場面が、かえってその日の私には、純粋な白の重なり合う厚みのある世界に見え、白い空へと向かっていく白梅にすっとする気持ちがいたしました。 太宰 宏恵 -
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一枚の写真「水仙と幸せと」・・太宰 宏恵
冷たく澄んだ空気の中、水仙たちが寄り添って咲いています。レンズを向けると、少し恥ずかしそうに葉の間から顔を覗かせ、時々こちらを確認するような姿が可愛らしくて、思わず写真を撮りました。 私にはそう見えているだけで、本当はそんな事実は無いのかもしれないことも、もちろんわかっています。それでも、見たいようにこの世界を見ることで、小さな喜びに溢れ、今日も私は勝手に幸せになるのです。 太宰 宏恵 -
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一枚の写真「光・新年に」・・太宰 宏恵
新しい年を迎えました。 節目ではありますが、いつもと変わらない日常も大切にしたい気持ちもあり、変わり映えの無い、普段の景色からの一枚を選びました。 枯葉にあたたかな光が通り、それが夕方に点灯した街灯のようで、見ていると、何故かとても救われた気持ちになりました。 「一枚の写真」は、毎月、私という小さな人間が、狭い生活範囲の中で見つけたり、出会った景色をご紹介しているわけですが、今年の視点はもう一回り、狭く小さなものになるかもしれません。 そんな写真にお付き合いくださる皆さま、い... -
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一枚の写真「師走の紅葉」・・太宰 宏恵
温かな日が続いている今年の冬。本来ならばすっかり終わっているはずの紅葉に、かなりのズレが見られるように思います。単に木々の種類によるものだけでなく、例年に比べて個々のペースや環境、地域によっても、随分違いや遅れがあるように感じています。 そんな中、師走にやっと色づいてきた紅葉が目に入りました。優しい光に照らされて、ゆっくりと変化していく色彩と共に、穏やかな冬を楽しんでいるようにも見えました。 ご挨拶には少々早い気もいたしますが、皆さま、どうぞ良い年をお迎えくださいませ。
