写真– tag –
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連載
一枚の写真「師走の紅葉」・・太宰 宏恵
温かな日が続いている今年の冬。本来ならばすっかり終わっているはずの紅葉に、かなりのズレが見られるように思います。単に木々の種類によるものだけでなく、例年に比べて個々のペースや環境、地域によっても、随分違いや遅れがあるように感じています。 そんな中、師走にやっと色づいてきた紅葉が目に入りました。優しい光に照らされて、ゆっくりと変化していく色彩と共に、穏やかな冬を楽しんでいるようにも見えました。 ご挨拶には少々早い気もいたしますが、皆さま、どうぞ良い年をお迎えくださいませ。 -
芸術
一枚の写真「シルエットの世界」・・太宰 宏恵
1日の後半に美しい夕焼けに出会えた日は、 ご褒美のようで嬉しくなります。 そんな日に限って、 携帯は持っていても、 カメラを持っていないことが多く、 「撮りたかった。」と思えば思うほど、 夕焼けは鮮やかに美しく変化していきます。 今回の写真を撮影した日は、 1日中曇りでした。 ところが、この場所に到着すると、 うっすらと太陽の光が射してきて、 淡く優しい色調の夕焼けとなりました。 空の中にだけ色彩が残り、 反対に今までさまざまな色を見せていた辺りは、 それを失ってシルエットとなる短い時... -
芸術
一枚の写真「金木犀の終わりと14ヶ所」・・太宰 宏恵
金木犀の香が漂ってくると、秋の訪れを感じます。 涼しい初秋の空気に、この金木犀がよく似合うと思い、撮影を楽しみにしていました。数日、カメラを触ることができない日が続き、やっと金木犀を写真に収めようとすると、枝にはもう、葉だけが残り、鮮やかなオレンジ色の花々は、ほとんど落ちていたのです。 残った花と枝葉の様子を上手く撮影はできなかったものの、辺りに落ちた小さな花たちがとても可愛らしく、地面の上で今もなお、嬉しそうに咲いておりました。 香をかすかに感じながらそれらを撮影し、家に戻... -
芸術
一枚の写真「空の景色に」・・太宰 宏恵
最近の空はとても美しく、 その表情は刻一刻と変わり、 ずっと眺めていても飽きない程です。 10年前の日本の空は、こんなに高く、 光が澄んで、ドラマチックだったでしょうか? ほぼ360度、空が見渡せる場所から、 5分毎に飛行機が下降してくるのが見えました。 光と雲だけの空よりも、 飛行機の登場により、 ぐっとその景色に引き込まれ、 慌ててシャッターを切ります。 空には毎日多くの人が居るのだと思うと、 不思議な気持ちに包まれ、 飛行機が見えなくなるまで、 その景色をしばらく見つめていました。 -
芸術
一枚の写真「夏の記憶」・・太宰 宏恵
セミの声が聴こえてくると、子供の頃に、初めてセミの「脱け殻」を見つけた時の驚きを思い出します。 独特の形と素材感、孵化の後、残されていくきれいな殻を不思議な気持ちで見つめていました。 セミの命は一週間程と言われていますが、それに反して脱け殻は、朽ちることなく、生きていた証のように長い時間、地上に残されていきます。 魂がたとえ抜けてしまっても美しいもの。 完璧な自然の造形への憧れは、この頃に私の中に生まれたのかもしれません。 -
芸術
一枚の写真 「蓮に思う」・・太宰 宏恵
蒸し暑くなるこの時期、私は、美麗な蓮の花と、水辺で大きく風にゆれる葉に出会うと救われます。 決して気温は変わりませんが、眺めていると、緑と桃色や紫、黄色のグラデーションが、心を涼やかにしてくれるように感じるからです。 そうとはいえ、高温注意報が発令される中、止まらない汗と戦いながらの撮影は、蓮の花にくすくすと、笑われているように思いました。 暑い夏は、やっぱり室内冷房が一番ですね。 -
芸術
一枚の写真 「宝物」・・太宰 宏恵
私の中での紫陽花は、背の高い木々や他の植物の影の中で咲いているイメージが有ります。時々風に揺られ、丸い紫陽花にポッと、強い光が落ちてくると、辺り一体が大切にしている宝物を、ほんの一瞬だけ見せてくれているような気持ちになるのです。少しの間、そんな場面に触れ、私の中にも大きな花が咲いたように、心が満たされていきました。まだまだ咲き始めの紫陽花。今年はどんな色や形のものに出会えるのか、楽しみでなりません。 -
芸術
一枚の写真 「新樹光」・・太宰 宏恵
気持ちの良い風に揺られる新緑と、その間に輝く光の美しさに目を奪われるこの季節が大好きです。梅雨までの短い時期、爽やかなこの感覚を体いっぱいに取り込めるように、自然に囲まれる場所へ、できるだけ出かけたいと思います。 -
芸術
一枚の写真 「彩り」・・太宰 宏恵
花が見られる場所には、まるで蝶や蜜蜂のように人も集まるように思えます。そうした人々をレンズ越しに眺めると、とても幸せそうに見え、人間が自然の一部であることに気付かされます。グレートーンだった冬から、色彩豊かな季節へ変化していくこの時期、人の心の中も一緒に彩られていくのかもしれません。 -
芸術
一枚の写真 「春の訪れ」・・太宰 宏恵
梅が満開となり、色鮮やかな花の姿や雛人形を目にすると、いよいよ春の訪れを感じます。新しい出逢いや活動、環境など、変化の時期でもありますが、それぞれが美しく開花していきますように。そんなことを考えながらの一枚です。
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