【連載】写真短歌(32)・・川喜田 晶子
この地球(ほし)と通りすがりの蜻蛉(せいれい)と黙して触れて祈り合ひてをり川喜田 晶子 蜻蛉が地に脚を触れる瞬間というのはとてもやわらかく、まるで重力など存在しないかのよう。なにか別の力で惹き付け合った結果の着地、かもしれません。しかも、その一瞬の無音のご挨拶だけで、この地球の重くてはるかな物語と、蜻蛉の透きとおって軽やかないのちの物語とが、互いに共有され尽くすのではないだろうかと思わせるような、それは丁寧な、魂のこもった沈黙の触れ合い、祈り合いのようにも見えます。言葉だけ...