【連載】一枚の写真「交差する春」・・太宰 宏恵
桜の木の写真を撮っていると、
後ろから名前を呼ばれました。振り返ると、半年ぶりの友人が立っていました。この場所の桜は、
先週に満開を迎えたと聞いていたので、
もう散っているかと思っていたのですが、
友人も同じことを考えて、この日に来たそうです。小ぶりな桜の花びらが、
ひらひらと風に乗って落ちていくのを眺めながら、
しばらく立ち話をしました。「あと10分遅かったら、会えなかったね」
「どこかに寄り道していたら、すれ違っていたかも」そんなことを言いながら、
ほんの少しの違いで交わる人と...