新型コロナと女性のヘルスリテラシー

『女性の健康 女性と社会に必要なヘルスリテラシー』執筆者 北 奈央子さんより、執筆者便りが届きました。
ヘルスリテラシーとして、一人の女性として、母として、それぞれの立場で特別定額給付金の事や、家族内でのストレス、オンライン診療についてなど必見!です。
ストレスはこわーーーいとわかっている方にも、再度認識していただける注意点も書かれています。


新型コロナと女性のヘルスリテラシー

新型コロナで緊急事態宣言がでてから1か月が経ちますね。
その前の集まりの中止から考えると約2か月でしょうか。

多くの方が生活の変化を余儀なくされていますよね。我が家もです。
我が家は、私と夫、1歳の娘、そして二世帯住宅で隣に夫の母が住んでいます。
夫が在宅勤務になり、娘は保育園が休園、夫の母が娘の面倒を見てくれる間、私は外に仕事に行きます。
家族で過ごす時間が増えて、公園によくいきます。ジムが休業中なので、妊娠してから乗ってなかったロードバイクを引っ張り出して近所を乗ってみたり。オンラインで飲み会をしてみたり、おいしいもののお取り寄せをしてみたり。
最初はストレスが溜まっていましたが、少しずつ慣れてきたかなというところです。

女性のヘルスリテラシーの観点から、この生活の変化によって気になっていることを3つ取り上げたいと思います。

数年ぶりのロードバイク

家族の関係の変化

多くの家庭で夫がいつもより家にいる!状況ではないでしょうか。我が家もです・・・!
普段は子供が寝てから帰ってきて、週末もわりと遊びにいっている夫がずーっと家にいる。

私の周りには女性の健康を支援する医療者の方や活動する方が多く、わりと初期のころからDV(家庭内暴力)の増加に関して話題になっていました。DVほどではありませんが、自分の家庭でもやっぱりちょっと気になることがあります。

夫が娘を怒ったり、厳しいなあと思うことが緊急事態宣言が出た後ちょくちょくあるのです。
もともとそうだけど2人一緒に家にいることが少ないから目につかなかったのか、夫が家にいる時間が増えて気になって注意することが増えているのか。もしくは、夫も在宅勤務でストレスがたまりちょっとしたことでも注意しているのか。

我が家は私は在宅勤務ではなく、夫の母も手伝ってくれているのでまだ緩和されていると思います。
ので、DVは遠い世界のことではなく、自分の身近でも起きているのではないかな。

世帯主に振り込まれる10万円

さて、特別定額給付金、みなさまはもう受け取られましたか?この給付方法が特にジェンダー研究者の間で話題になっていました。
なぜかというと、世帯主に家族分振り込まれるからです。世帯主は多くが男性ですね。我が家も夫です。
我が家で言うと、夫の口座に夫婦+娘の3人分が振り込まれるわけです。

ここで一番問題になるのは別居している女性・子供や、DVを受けていて逃げている女性・子供です。
こういう方たちが特に貧困に陥りやすいのに、放っておくと夫にお金が入ってしまうという・・・。
これは私も嫌です。税金も自分で払っているのになぜ私の口座に振り込まれないのか、疑問でなりません。
きっと意思決定の場に世帯主の人ばかりしかいなかったのでしょうね。

ピルとオンライン診療

新型コロナが追い風で進んだなと思うのはオンライン診療です。
これまでも特定の状況でのみオンライン診療が許されていましたが、それがかなり緩和され、導入する医療機関が増えました。
大きいのは時限的ではありますが、初診は対面じゃないとダメだったのが、オンラインでもOKになりました。
みなさまが通っている病院やクリニックでも取り入れているところがあるのではないでしょうか。

女性でいうと、月経コントロールで低用量ピルを服用している場合は、更年期のホルモン補充療法など定期的に処方してもらうことが必要な方にはとても朗報!また、緊急避妊用ピルは72時間以内に飲まないと効果がないといわれています。土日、今回でいうとゴールデンウィークの間も、近くの病院がしまっていても全国どこかに土日でもオンライン診療をやっている病院があれば大丈夫になったのです!

3つともぞれぞれ、女性たちが要望書を提出したり、相談窓口をつくったり、病院リストをつくったりしています。
女性のパワーはすごいなあと改めて思えたのでした。
私の住む東京ではもう少し緊急事態宣言が続きます。
リフレッシュしたり、運動したり、おいしいものをテイクアウトしたり、楽しみをみつけて乗り切りましょうね!

親子3人で公園がコロナ禍の日課