いま、ここにあること

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sendai8月の初め、高橋さんの取材で雄勝を訪れた前後1週間ほど、私は別件の仕事で仙台市内に宿泊していました。
ちょうど仙台七夕祭の時期で、市内は祭りの華やかな雰囲気に彩られていました。
仙台七夕祭でも「復興」ということは言われます。あの3月11日から3年以上が経っても、東北全体にとって、それは避けて通れないことがらですから。
それでも祭りはハレの日のもの。あの華やかさは、旅人である私にあの日のことをひと時忘れさせるのに十分でした。

仙台市内からレンタカーで約80㎞、雄勝で私が見たのは、「あの日」以降の「いま・ここ」という現実に毅然と、しかも飄々と立ち向かう高橋さんの姿でした。

雄勝を取材した翌日、私は名取市に行ってきました。
あの日、たしかNHKだったと思いますが、名取川河口付近の平野部を遡上する津波をヘリコプターから中継した映像がありました。あそこは今どうなっているのか、個人的に見ておきたかったのです。
仙台駅から仙台空港アクセス線で21分、仙台空港の1つ手前、美田園という駅で降りました。駅の北側には新興住宅地があります。日曜の昼下がりだったので人出はあまりありませんでした。
そして、そこから徒歩4~5分で、このような風景に出会うことができました。
かつて津波が押し寄せた場所の、ほんの端っこです。

茫々とした風景を背に駅に戻ると、駅の南側は仮設住宅になっていました。ここにもまた「いま・ここ」という現実に立ち向かう方々がいます。

いま、ここにあること。
誰もが「いま・ここ」という現実に立ち向かっているということ。
自分には自分の「いま・ここ」という現実が目の前にあるということ。

日々の生活の中で、忘れてしまいやすいことなのだなあ。

それから3日後、仙台を離れる飛行機の中で、そんなことを考えていました。

きらめきプラス編集部:吉田