いまここにあること 高橋 哲郎 ーーVol28より

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いまここにあること 高橋 哲郎 72歳

宮城県の北東部、石巻市雄勝町地区。雄勝硯の産地として知られ、産出する天然スレートは東京駅の屋根材としても使われている。
東日本大震災では、ここにも津波が押し寄せた。高台にある家や施設以外は全てが押し流され、3994人(2010年国勢調査による)が暮らしていた同地区では直接死・間接死を合わせて171人が亡くなり、今年(平成26年)8月末に至っても71人が行方不明だ。
住む家を失った人々は、次々とこの地を去っていった。市の条例により住宅再建を認めない「災害危険区域」に指定されたことも、この動きに拍車をかけた。それでも、この地、石巻市雄勝町雄勝味噌作には諦めない人がいる。たった独り、我が家を再建しようとしている高橋哲郎さん(72)がその人だ。

「家は流された。金はない。けれど自分がいる」高橋さんは、やれるところまで自力でやってくことを選んだ。全く経験のない林業を独学で学び、2013年夏、チエンソーを使うのに必要な「チエンソー取扱特別教育」を受講・修了、裏山の杉の伐採を開始。チエンソーの振動で奥歯が欠けたが高橋さんはひるまない。(続きは本誌で)
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スタッフより

山の木を切り終わり柱をたてました。と今年の5月頃にも高橋さんを応援しているまち・コミニュケーションの宮定さんから連絡をいただきました。今でも高橋さんの家を建てるためにボランティアの人がお手伝いに行ってます。その人たちへの感謝の意味も込めて自分で立ち上がった姿を見せたい、そのためにも「ここ」に人の集う場所、つながる場所を残したいと高橋さんは語ります。そして今回取材を引き受けてくださった吉田さんは何年か後、裏山に建った高橋さんの新居、人の集う場所、つながる場所を取材したいと心から思いますと語ります。
そこにはすでに言葉のいらない強い繋がりがあることを感じました。